人気ブログランキング | 話題のタグを見る

電力各社の株主総会

26日に総会を開いた北海道電力を皮切りに28日には東京、中部、北陸、九州の4電力、翌29日には残りの関西、中国、四国、東北、沖縄の5電力が開催した。

多くの会場で原発問題は大きな争点であり「脱原発」の動議が個人株主らから提出されている。
以下はいくつかの会場の様子。
東京電力:株主総会 相次ぐ厳しい質問 会場外で抗議行動も(毎日新聞)
北陸電:脱原発「株価が下がる」 株主総会で社長(毎日新聞)
中部電力:株主総会 「浜岡停止」理解求める 会長、冒頭陳謝(毎日新聞)
「脱原発」提案を議論 九電株主総会 出席者数、過去最多(西日本新聞)

どの会場も過去最高の出席数となっている。
特に東京電力の株主総会は昨年、過去最高となった3300名余の三倍近い9300名ほどが出席した。
福島原発事故を受けて一般株主の関心が高まったのは事実だろうが、東電擁護の株主を相当数動員したであろうことは容易に想像出来る。

本日、行なわれた東北電力の株主総会では「女川原発運転差し止め」や青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場などへの融資の中止などを求める動議が提出されている。

なお、関西電力の株主総会へはこんな動きもある。
関西電力:株主総会に大阪市長出席 新エネルギー協力要請(毎日新聞)
自ら「脱原発」を目指す考えを表明しているが、株主総会の場で明言するかどうかは未定で電力と「再生可能エネルギーの開発で連携することで一致した。」という平松邦夫大阪市長だが、電力の出す議案にはすべて賛成すると言っていた。
「新しいエネルギーを見つけるため、自治体として電力会社と一緒に努力し、取り組みたい、との思いを言う」らしかったが結果はどうだったのだろう。

北陸電力が「脱原発にすると株価が下がる」と露骨に語ったように地域独占企業としての利益追求が第一義である電力会社が自らの手で原発を葬り去ることはあり得ない。
国策としての原子力開発を止め自然エネルギーへの転換を図る方針を政府として確定しない限り、福島原発のような悲劇が近い将来再び起こるだろう。
これは脅しでも何でもない。
「日本の原発は安全」と言い続けていた彼らが現実の重大事故に際してどう対応出来たのか?
このかんの彼らの動きを見れば一目瞭然。
彼らには未然に事故を防ぐ能力どころか事故処理の能力さえもないのだ。

そんな電力会社が本気になって再生可能エネルギーなど考えるわけもない。
政府がやるべきことは原発からの撤退と自然エネルギーあるいは再生可能エネルギーを基本とした電力の自由化である。
各電力が各地域を独占した形で電力供給を続ける限り、電力料金は下がらないし原発事故の不安からも永遠に逃れられない。
自然エネルギーあるいは再生可能エネルギーを基本とした電力の自由化によって各電力の解体、電力料金の健康的な競争が生まれる。
また、これまでの集中的大規模発電に替わり地域別小規模発電による送電距離の短縮も可能になってくる。
新しい時代、新しい生き方を模索するにはそこまでのことを考えなければならないだろう。

by ma.blues | 2011-06-28 19:56 | 原子力関連  

<< 電力会社の株主総会2 被災地を見つめる目 >>