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J.J Caleが死んじまった・・・・・

彼の訃報は先月28日、独酔舍のライブの時に彼が教えてくれた。
Facebookで矢野顕子がつぶやいていた、と。
すぐに書かなかったのはあまりにもショックだったから。
僕が唯一、外国ミュージシャンで観たい、会いたいと思っていた人物だったから。

彼の名前を知らない人は多いと思う。
でも、エリック・クラプトンが歌った「After Midnight」を知っている人は多いだろう。
その作者であり、言わばクラプトンがこの曲をヒットさせたことでJ.Jは世に知られるようになった。(「Cocaine」もそうだが)
それまでは故郷に帰って音楽活動を辞めることを考えていたそうだから、世の中何が起こるか分からない。

J.Jはいわゆる「タルササウンド」の創始者の一人と言われている。
「タルササウンド」とはブルーズ、フォーク、カントリー、ジャズ様々な音楽を融合させた独自のスタイル。
ジャンルの概念に捕われることのない自由な発想から曲作りがなされていた。
これをすでに1960年代に始めていた。
そして、クラプトンの「After Midnight」のヒットがきっかけで、初のソロアルバム「Naturally」が1972年に発売され、彼のスタイルが確立されたと言える。

大ヒットこそないが多くの曲が複数のミュージシャンによってカヴァーされている。
クラプトンは彼に相当の影響を受けたようで、のちに彼と二人でのアルバムを出すが、聴いているとどちらがギターを弾いているのかどちらが歌っているのか分からないほどよく似ている。
彼の死に一番ショックを受けているのはクラプトンかもしれない。

ちなみに彼の名前の由来は、当時人気グループだった「ベルベット・アンダーグラウンド」のメンバーであるジョン・ケイルと間違われないために、その頃雇われていたナイトクラブのオーナーが「J.J Cale」と名付けたのだそうだ。

常々、日本における音楽のジャンル分けを疑問に思っていたし、区別することなく「いい音楽はいい」というスタンスを採って来たつもりだ。
ミュージシャンというわけでもないので自分のスタイルがどうのこうのとは言えないが、聴いたり判断する際の基準はそこにある。
ただ、日本で言われる「フォーク」はどちらかと言えば「歌謡曲」に近いわけでアメリカンスタイルやアイリッシュ、ブリティッシュ、スコティッシュなど様々なフォークとは一線を画すものと考えてはいるが。
むろん、ラテン系のフォークロア的なものともまったく違っている。
しかし、その中から様々な展開が生まれて来たことは事実なので「日本のフォーク」を認めないということではないことを付け加えておこう。

話が反れてしまったが、J.Jのやって来た音楽は僕の理想に近いものだった。
あらゆるジャンルにこだわらず、あらゆるジャンルを融合することで生まれて来る新たな音楽こそが自分の目指していたものだったから。
歌と演奏の同時録音にこだわった点も同じ感覚だった。
J.Jは1980年代に一度来日の話があった。
決定すれば、即予約を取るつもりでいたが理由も分からず来日が中止になってしまった。
それ以後、彼の来日の話は出ず、結局いなくなってしまった・・・
唯一、生で聴きたかった、観たかったミュージシャンだった。
残念でならない。寂しくなる。

今まで知らなかった方は一度是非彼の曲を聴いて欲しい。

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by ma.blues | 2013-08-02 17:39 | ぶつぶつ  

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