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汚染水漏れが停まらない

福島第一原発事故に伴う汚染水の漏れが一向に停まる気配がない。
以前から汚染水の海への垂れ流しを指摘し続けて来たが、東電はやっとそれを認めた。
これは認めざるを得ないほど大量に流れ込んでいる事実があるということだ。
さらに、地下水への汚染水の浸透もここへ来て発表された。
結局、これまでなんら効果的な対応が出来ていなかったということになる。

あまりに小出しで、あまりに煩雑にこれらの発表が繰り返されて来たので、正直これについて書くのも面倒に思えていた。
つまり、小出しにされて来たものを繋いでいかないと全体像が見えないという状況を彼らは意図的に作り出して来ていた。
マスメディアもそれぞれ発表の段階ではいくらかの解説を行なうが、その時限りで継続的な報道を避けていた。
今や、オリンピック招致問題にうつつを抜かし、重大なこの問題に対して正確に事実を追及する動きはまったくない。

小出しにどこそこのタンクから漏れたとか「小さな事故」であり問題はないと強調する発表を東電は続けて来たのだが、それらがいかにウソだったのか今回の一連の発表で露呈したことになる。
政府も政府でやっと重い腰を上げたが、対策委員会をこれから作るというていたらく。
あげくの果てには、汚染水問題の国会審議を先送りにした。
その理由の第一は「オリンピック招致に問題が生じる可能性がある」ということだからとんでもない話だ。
震災から2年半かけてこれだ。
何年、何十年やっても何も変わらないのではないかと思えてしまうのは私だけではないだろう。

オリンピック招致委員会は会場で記者たちから汚染水問題を問われ「東京は福島から250キロ以上離れている」の一点張り。
多くの記者やIOC委員から失望の言葉が出ている。
委員会のメンバーはこの問題が単に距離の問題ではないということに気付いていないのか無視しているのか。
いずれにせよ、世界の意識とは明らかにずれを生じているのは確かだ。
個人的にはオリンピックなど来てもらわなくてもいいと思っている。
例によって、経済効果とやらを盛んにマスメディアは吹聴しているが、オリンピックにつぎ込む資金を被災地の復興に向ければ今よりもう少しはまともな進展を見られるんじゃないのか?
もちろん、福島第一の事故処理についてもどれほど金がかかるか分からないのだから、そちらへも回すべきだろう。
オリンピックなど招致している場合じゃないのだ。

韓国が岩手県を含めた8県の水産物輸入禁止措置を発表した。
『あんたの国の水質汚染もかなりヤバい状態じゃないの?』とも言いたいが、これだけ汚染水の垂れ流しが続いているのであれば、どこでも輸入したくなくなるのは当たり前だろう。
立場を変えれば、当然輸入禁止措置を採りたいと思うだろう。
こうした現実の中で、この国のトップはまるでセールスマンのようにあちこちの国を訪れている。
いかにも経団連の先兵らしき振る舞いなのだが。

今月中に今唯一稼働している大飯原発が定期検査に入り、再び原発ゼロの状況になる。
おそらく、また節電やら何やらいろいろ手を変え品を変え電力不足のアピールをするのだろうが、福島第一の汚染水処理さえも出来ない連中に今後原発を制御し稼働させていくことなど無理に決まっている。
原発を無くすことを前提としたエネルギー政策を立て直さない限り、この国の経済状況はさらに悪化していくことだろう。
いくら、消費税を上げようが日銀が緩和策を採ろうが国民経済が上向きになることはない。
原発同様、利益を得るのは一部の既得権益を持った人間たちだけなのだから。

今日は金曜デモ。
盛岡では72名が集まり、東北電力前を通るデモを行なった。
東北電力には停止中の原発が二カ所(女川、東通)ある。
女川は宮城県、東通は青森県と岩手県に原発はない。
しかし、原発に「地元」などという言葉は通用しない。
「地元」をはるかに越えて汚染は広がり続けるのだから。
岩手の人々は福島を他人事とは思っていない。
自分たちが生きていくために無用なものとして原発を考えているのだ。

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by ma.blues | 2013-09-06 22:13 | 原子力関連  

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