「阿知波一道VSやなぎ」のライブがありました

20日(月)は「阿知波一道VSやなぎ」のライブがありました。
阿知波さんは北海道のお坊さん。
学生時代からフォークを歌い始め還暦を過ぎた今でも歌い続けています。
後に知りましたが、地元を離れてしかもお店でのライブというのは今回が初めてなのだそうです。
前日の日曜日には釜石でやなぎとともに2軒でステージをこなしてきましたので、クロスロードは3軒目になったわけですが。
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オープニングは店でちょくちょくやってくれていた木原あおいくん。
普段はギター弾き語りなのですが、この日はベース弾き語りという意表を突いた形での登場でした。
オリジナルのほか古いアメリカの歌なども歌ってくれました。
ベースだけだと音の幅がどうしても狭くなるため隙間が多い感じになっていましたが、彼には期するところがあってあえてこのパターンにしたのでしょう。
彼のいいところはそうした冒険心やチャレンジする心を持っていることだと思います。
完全なベーシストとは言えない彼がこんなチャレンジをしたことはよいことだと思います。
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続いては、阿知波一道さん。
坊さんと言われれば「そうだな」と思いますが、普通にその辺にいるおっさんでした(笑)
彼の経歴から想像していた通りの歌の数々を披露してくれました。
学生時代を京都で過ごしていたことは彼に大きな影響を与えたことでしょう。
すでにいわゆる関西フォークの大きな波は去ったあとだったと思いますが、それでも京都や大阪にはあの流れを汲む人々が多く存在しています。
そうした人たちに影響を受けお互いに切磋琢磨して来たことを窺わせる歌でした。

言葉を大切にする。
今では作曲をする時に構成やメロディを優先するあまり、ともすればないがしろにされがちになっている詩を大事に曲を作っているのだろうと想像出来ました。
「こうでなければならない」といったものはないですが、個人的には歌であれば言葉を大切にして欲しいと思っています。
言葉遊びの歌も面白いのですが、何度か聴くとやはり飽きてきますね。
いくらメロディがよくても歌詞に内容がなければ心には届きません。

それは言わば歌の原点のようなものだと思っています。
決してうわべだけの言葉を並べるのではなく意味のある言葉の構成によって歌が作られていた時代を彷彿とさせるものでした。

こうして書くと彼が真面目一辺倒のように思われるかもしれませんが、パロディとアイロニーを兼ね備えた替え歌で会場を沸かすことも忘れない「お坊さんらしい」人でした(笑)
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最後はやなぎ。
店では「やぎたこ」として演奏してくれたことがあります。
こちらは古いアメリカンフォークソングを当時のスタイルに近い形で演奏していて支持者も多くいます。
今回はソロでのライブでしたが、年の割には古くさい歌を多くレパートリーにしています。
もっとも、「やぎたこ」のレパートリーもかなり古いものが多いですけど。
ただ、やなぎのスタイルは阿知波さんよりほんの少し後年のものという感じでした。

彼も言葉を大切にするシンガーの一人でしょう。
強さとか派手さとかとはちょっと離れたところで言葉を投げかけてきます。
受け止めた人間にとってはとても重要な言葉たちになるのではないかな?と思います。
彼らのような歌い手が今なお存在していることに(彼らだけでなく知っているだけでもたくさんいるのですが)どこかほっとした気持ちになります。

スタイルが古いことはその歌が古いことを意味しません。
自分にとっては遠い彼方に置き去った歌の一つである「若者たち」が森山直太朗によって再び陽の目を見た時に『そういうことなんだなぁ・・・』と改めて感じたことがありましたから。

震災後、あまりに多くの「応援歌」が歌われ辟易としたことがあります。
某国営放送ではいまだにそうした番組作りをしています。
むろん、そうしたことで勇気づけられる人々もいるのは事実ですから否定はしませんが、個人的には『頑張っている人に「頑張ろう」と声をかけるのはどうなんだろう・・・』と思ってしまいます。
そっと寄り添ったり遠くから見守っていたり、そんな形でもいいのではないでしょうか?

彼らの歌を聴いていてそんなことを思ったりもしていました。
歌は勇気づけもするけど、悲しませたり喜ばせたり考え込ませたり、様々な要素を持っているものだと思います。
そして、それらは意図的に仕込んだりすれば、とても気持ちの悪い歌になると思います。
時の流れや空気の流れと同様に自然と人々の心に染み込んでいく歌がいい歌なんじゃないかな?なんて思ったりもしています。
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最後にやなぎと阿知波さんの二人での演奏も楽しめました。
『こんなことをやっていたっけな・・・』と自分の過去を振り返ったりもした夜でした。
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by ma.blues | 2015-04-23 01:07 | ライブ報告 | Comments(0)  

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