2.13Jazzy Night きつい冷え込みをものともせずに

急に冷え込んだ夜でした。
あっという間に−7℃くらいまで下がったようです。

Yuki&Fatsの二人と音出し確認をしている時、
一番に入って来たお客さんは転勤される島ちゃん。
開口一番「今日は寒いですねー」
僕はずっと店の中にいましたので逆に暑いくらいでした(笑)
狭い店ですのでちょっと人間が増えるとぐんと室温が上がるのです。

ライブは約一時間ずつ前後半に分けて行いました。
サム・クック、オーティス・レディング、ジェイムズ・カーなどソウル系の歌が多く歌われ
転勤する島ちゃんのためにザ・バンドの「ウェイト」
そして、二人から彼に昨年リリースされたYukiさんのCDがプレゼントされ
彼からのリクエストでボブ・ディランの「アイ・シャル・ビー・リリースト」

島ちゃんは前半で退席、今日はもうすでに転勤地にいることでしょう。
彼を送るのにふさわしい場を作れたと思っていますが・・・・・
またいつか、お会いしましょう。

休憩をはさんで後半はFatsさんが腰を下ろしてじっくりと歌う歌から。
ハウスバンド、Hot club of MORIOKAのリーダー寺田くんや
この日、お客さんとしていらしていた彼の旧知の友人らと共通の友人であった
数年前亡くなられたKさんを忍んで作られた歌「夕顔瀬(ゆうがおぜ)ララバイ」

夕顔瀬とは彼らが子供の頃によく遊んでいた地域のことでした。
ちなみに確かユーミンも夕顔瀬橋のことを歌にしていたような気がします。
(コメントいただきましたので訂正します。「たしか、谷川浩子の「河の流れに」が夕顔瀬橋。
ユーミンの「五月の街に舞い降りて」が中津川だったと記憶してます。」とのことです)

途中、ロックンロールナンバーのメドレーも入ったり
実に多彩な演目で飽きさせないライブでした。
また、MCでは数年前?ニューヨークへ行った際に明らかな差別を受けたことなども話していました。
当時も今もアメリカではカラードは差別されているのです。

二人のMCはなんとなく二人の日常をかいま見るような感じで
思わず苦笑いしてしまいました(笑)
様々なジャンルの歌を歌われましたがやはりサザン・ソウル系が多かった気がします。
ブルーズではジミー・リードが出て来たのは嬉しかったです。
好きな傾向のものが多かったので僕も楽しめました。
お客さんたちもかなりノッて手拍子が入ったりで楽しんでくれた様子です。

初めてキーボードを入れてのライブでしたが
思いのほか、うまく行った感があります。
むろん、彼らのセッティングがすっきりしていることが大きいのですが。
また一つ、この店の幅が広がったように思います。

ライブ中のお二人の感じは画像でご覧下さい。

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# by ma.blues | 2010-02-14 20:41 | ライブ報告 | Comments(4)  

送別会でした

一昨夜は常連さんの一人が転勤で盛岡を離れることになったので送別会でした。
週に二三回来て下さる超常連の島ちゃん。
最初は店の前を二三度通り過ぎたにもかかわらず
看板が気になって意を決して階段を昇って来てくれた方でした。

とても音楽好きな人で彼と話をするのは楽しかったです。
音楽に留まらず様々な知識を持っていて勉強になることも多かったですね。
いつも、かなり酔うまでお酒は飲むのですが大騒ぎをすることがありません。
酔うほどに話が広がり収拾がつかなくなることはよくありましたが(笑)

時には二人だけで閉店まで延々と話し続けたこともありました。
また、ハウスバンドのライブにはほとんど来てくれましたし
一度は観客が彼一人ということもありました。
常にこの店とハウスバンドを支えてくれた方でした。

彼は二度目の盛岡転勤だったのですが今回は約10ヶ月という短い滞在でした。
でも、彼曰く「今回は非常に濃い付き合いが出来る人たちと巡り会えた」そうです。
その場の一つとしてこの店があったことは大変嬉しいことです。
『一期一会』とは「出会えたのだからその時を大切にしよう」ではなく
「出会えたこの時を大切にするとともにこれからも大事に付き合って行こう」
という意味だと聞いたことがあります。

この店で彼と出会えたこと、彼がこの店で多くの人たちと出会えたこと、
それらはそのすべての人たちにとって一つの「財産」であると思います。
彼はこの店のある地域、桜山をこよなく愛してくれました。
むろん、この店だけでなくいくつかのお店に立ち寄っていたはずですし
その一つ一つのお店に彼は思い出を作っていることでしょう。

この夜はハウスバンドのリーダー寺田くんを呼び出して
二人でマヌーシュ(ジプシースウィング)定番の「マイナースウィング」を演奏しました。
出会いがあれば別れも来ます。
しかし、どこにいてもマヌーシュの音を聴けばこの店を思い出してもらえるでしょう。
そして、いつかまた必ず巡り会えることでしょう。

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右端が転勤される島ちゃん。左の二人はいつも島ちゃんを酒のつまみに飲んでいたM夫妻。

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中央がリーダーの寺田くん。右はONNYKの名でプレイヤーとしても活躍しているKくん。
左はいつも静かに音楽を聴きながらゆっくりと酒を飲んでいる常連さん。

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左は当店の3軒隣にある「ホットポット」の小織ちゃん。店が終わってから駆けつけてくれました。
ホットポットも島ちゃんの行きつけのお店でした。
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# by ma.blues | 2010-02-11 02:39 | Comments(0)  

ジプシーバイオリニスト古館由佳子さん来店  Part2

彼女との話の中で出て来たジプシーたちがいまだに差別されているという現実は
ヨーロッパが一大連合国になろうとしている中で根強く続いている排斥主義的な思想を意味します。
彼らを「整理」しなければEUにいられない、加われないといった言葉も飛び出しているようです。
イタリアではここ数年民間人によるロマ(ジプシー)の排斥運動が激化しています。
特に南部においてそれは顕著ですがイタリアにはルーマニアから移住して来たロマが多く
彼らの一部が貧困ゆえの犯罪に走ることがそうした排斥運動を導き出して来ました。
しかし、犯罪を犯さなくても彼らに対する差別感情は以前よりあったのです。

元来、ジプシーという名称は古くには「エジプトから来た人」といった意味で使われて来ていました。
基本的にはヨーロッパ東南部での呼称でしたが
その時点ですでに差別的意味合いが含まれていたと考えられます。
そのジプシーは常に移動して生活していましたが
定住するようになった人々をロマと呼ぶようになったと言われます。
ジプシーが差別語でロマがそうでないのかといえば現実的な中身は変わっていないと言えるでしょう。

現在ではジプシーは北インドから中東を通りヨーロッパに移動して来た民族と規定されています。
彼らは中東や東ヨーロッパを抜ける際にその土地の音楽と自分たちの音楽を融合し独特の音楽を産み出して来たと考えられ彼らの移動の最終地点がスペインでありフラメンコに代表されるスパニッシュ音楽がその集大成とも言われます。
彼らはヨーロッパ全土に点在しロシア西部に居を構えた人々もいます。

ジプシー音楽には様々な土地の音楽のエッセンスが含まれており
ヨーロッパではクラシックとの融合が進んだと言えます。
ですので、彼らの音楽にはアメリカンジャズで言うところの「アドリブ」とはまったく別個のメロディアスな旋律が多く含まれます。
その場その場で作られるアドリブではなくあらかじめ作られてある旋律がメインになります。
それはその土地の民謡をも融合させて来ていますし、彼らがその土地の民謡を作っている場合もあります。
スパニッシュ音楽だけでなくロシア民謡の一部やハンガリーの民謡などはその典型的な例と言えます。

アメリカンジャズはスウィングジャズと呼ばれるビッグバンド形式の音楽に
黒人のブルーズが融合したところから発展したと考えられます。
黒人も説明するまでもなくアメリカ全土において差別され続けています。
これらはジプシーたちの音楽がヨーロッパの音楽と融合したことから発展し、
それが翻ってヨーロッパの音楽に影響を与えている構造とよく似ています。
そして、黒人もジプシーも当時だけでなくいまだに差別を受けていることまでよく似ています。

かつての黒人ジャズミュージシャンはその高い演奏能力やアイデアにもかかわらず
不当に低い地位と価値しか与えられず、時には給料さえも未払いということが多かったそうです。
また、黒人ブルーズマンは黒人のバーなどでの演奏しか認められず
1960年代に入ってイギリスを中心とした若者によって「発掘」されるまで
その音楽は世界的に知られることがなかったのです。
1980年代に「ブルーズフェスティバル」で来日した故スリーピー・ジョン・エステスは
ホテルに宿泊し提供された食事を採ってこう言ったそうです。
「こんな快適な部屋やこんなに美味しい食事が世の中にあったんだ・・・」

ヨーロッパのジプシーたちは現在もなおそうした差別待遇を受けており
ミュージシャンとしてレストランなどに入っている彼らの給料は微々たるものです。
むろん、トップミュージシャンとしてその地位を確定している人たちはその例に入りません。
しかし、そのことが「内なる差別」を産み出しているのも事実です。
低い地位で貧困を余儀なくされ犯罪に走るジプシーたちの存在を
そうしたトップにいる人たちは疎ましく思うからです。
「彼らみたいのがいるからわれわれも同じように見られてしまう」

僕がCROSSROADを開く際に考えていたことや
ジプシースウィングとブルーズを選んだことはこうした彼らの音楽の背景でした。
現在もなお差別され続ける人々とその音楽、
それは思想を表面に打ち出してアンチを標榜したかつてのロックやフォークなどとはまったく違う、その思想を内に秘めたままの音楽と言えるでしょう。
それゆえの奥深さを感じるのは僕だけでしょうか?
そして、その音楽の中に含まれる悲哀を感じるのも。

音楽は文字通り「音を楽しむ」ものと考えます。
したがって、その個人にとって楽しいものであればどのような音楽でもかまわないわけです。
ただ、どのような音楽にもそのバックボーン(背景)が常にあること。
そのバックボーンに依ってこそ生まれる音楽もあること。
それゆえ、音楽は「一つの文化」として規定出来ると言えるのでしょう。
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# by ma.blues | 2010-01-31 19:50 | リンク関連 | Comments(0)  

ジプシーバイオリニスト古館由佳子さん来店  Part1

昨夜、ジプシーバイオリニストの古館由佳子さんが来店されました。
彼女は岩手県宮古市出身で現在は東京在住。
クラシックとジプシー音楽をこなす気鋭のバイオリニストです。
彼女の演奏するのは主にハンガリーのジプシー音楽で
当店で演奏されるマヌーシュスウィング(ジプシースウィングジャズ)とは
若干違っていて、よりクラシック色の強い音楽と言えると思います。

詳しくは右メニューにリンクした彼女のHPを参照していただきたいのですが簡単に略歴を紹介しますと
桐朋学園大学音楽学部を卒業後、94年にジプシー音楽と出会い独学でジプシースタイルの
バイオリンを身につけた後、ハンガリーのジプシーバイオリンの帝王ラヨシュ・ボロシュに師事し、
正統的なジプシーバイオリンのテクニックとレパートリーを身につけたと
本場のジプシーミュージシャンから評価を受けています。

かねてよりハウスバンドにバイオリンを加えたいと考えていて
いろいろな方に当たってみたりしていたのですが
なかなか、ジプシースウィングをやるバイオリニストは見つかりませんでした。
今回、さる方に古館さんを紹介していただき図々しくもこちらから電話したところ、
一昨日から岩手に来るとのことで昨夜の来店となったわけです。

お忙しい中をわざわざ来ていただいた上に
いろいろなお話を聞かせていただき大変有意義な時間を過ごせました。
正直なところ、アマチュアのハウスバンドに純粋プロの彼女が
ゲスト的にせよ、加わっていただけるのか半信半疑でした。
しかし、いろいろとお話をして行くなかで彼女自身もマヌーシュに興味があり
やってみたいという気持ちを持っていることを知りました。

彼女はとてもキュートで元気のよい明るい女性です。
競演出来ればむさ苦しいオッサン揃いのハウスバンドのなかに大輪の花が咲くことでしょう。
音楽的にも幅が大きく広がりますしよりマヌーシュの魅力を引き出してくれると思います。
むろん、今すぐに競演が実現出来るわけではありません。
現在のハウスバンドはバイオリンがいないこともあり
ギターパートメインの曲をレパートリーにしています。
バイオリンを加えるのであればバイオリンを活かせる曲をレパートリーに加えなければなりません。
これも一朝一夕に出来ることではないですし、彼女のスケジュールとの兼ね合いもあります。
しかし、なんとしてもこの競演は実現したいと思っています。

ほんのちょっとした偶然からこんなにも素敵な出会いがあるとは・・・・・
今年はジャンゴ・ラインハルトの生誕100年です。
ジャンゴがわれわれを結びつけてくれたのかもしれませんね。
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# by ma.blues | 2010-01-31 19:05 | リンク関連 | Comments(0)  

2月のライブスケジュール

1月もあっという間に終わりですね。
盛岡は強い冷え込みになって来ました。
日中でも零下になることが珍しくありません。
寒さの本番は来月ですねぇ。
気持ちを引き締めて来月を迎えねば。

さて、来月のライブスケジュールをお知らせします。

2月13日(土) pm7:30~ チャージ1500円(ドリンクすべて500円)
Jazzy Night
出演:Yuki&Fats
横浜のライブハウスなどでも活動していた実力派のコンビです。
Fatsさんはかつて盛岡のブルースシーンで活躍していましたから
盛岡ではなじみのある方も多いでしょう。
Yukiさんとの掛け合いのボーカルは聴き逃せません。

2月27日(土) pm8:30~ チャージ1500円(ドリンクすべて500円)
Gypsy Swing Night
出演:Hot club of MORIOKA
ハウスバンドの月一ライブです。
進化し続ける彼らの演奏を応援して下さい。

なお、フライヤーには間に合わなくて載っていませんが
2月17日(水)には以前出演していただいたJANGOのメンバーが
ジャムセッションを行います。
ボーカルの翔太くんは残念ながら参加出来ませんが
お父さんとその友人のお二人によるセッションです。
もちろん、飛び入り参加オーケーですのでお得意の楽器を持ってご来店下さい。

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# by ma.blues | 2010-01-26 17:37 | ライブスケジュール | Comments(3)  

1.23ライブの報告 Hot club of MORIOKA

23日(土)はハウスバンドのライブでした。
夕方から雪がちらつくあいにくの天候でしたが多くのお客さんが来てくれました。
20:30からのライブでしたが開始30分前にはカウンターから見える席はほぼ満席。
このところ、ハウスバンドのライブにはコンスタントにお客さんが来てくれていて
本当に嬉しい限りです。

湿度もちょうどよかったようでギターの鳴りはかなりいい感じでした。
いつもほとんどリハ無しでのライブですがメンバーもだいぶ心得て来た様子で
簡単な音出し確認を済ませると結構リラックスした表情をしています。
5月開店以来、毎月この場所でライブをしているわけで
メンバーもおそらくここが一番落ち着いて演奏出来るのではないかと思います。

今回は斉藤くんの口上がいつもよりちょっと歯切れが悪かったような・・・
そのせいか、普段よりハイペースでライブは進んで行きました。
ラストナンバー「ヌアージュ」を演奏し終えたあとにお決まりのアンコール(笑)
今回は新しいレパートリー「アノウマン」を演奏してくれました。
仕事を抱えてのライブ活動ですのでなかなかレパートリーを増やせないのですが
少しずつでもこうして増やして行ってもらえたらいいですね。

来月は27日(土)にハウスバンドのライブが入ります。
まだ演奏を観たことのない方は是非ご来店下さい。
また、すでにご覧になった方も進化し続けるハウスバンドを応援に来て下さい。
東北でマヌーシュスウィング(ジプシースウィングジャズ)の生演奏を観ることが出来るのはここCROSSROADだけですから。

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# by ma.blues | 2010-01-25 15:12 | ライブ報告 | Comments(0)  

浅川マキ死去

60年代後半にデビューし今なお根強いファンを持つ浅川マキが亡くなった。
70年代には唯一無二の歌い手として絶大な人気があり
その実力はメジャーなミュージシャンをも唸らせた。
彼女のライブではつのだひろ、山下洋輔、坂田明などそうそうたるメンバーがバックに。
まだ有名とは言えない頃の坂本龍一も参加していた。

「アングラの女王」などと規定されることが多いようだが
メジャー(芸能界)優位の発想からそんな言葉で表現されるのだろう。
だが、実態はメジャーの歌手の誰もが到達し得ない地平に彼女はいたように思う。
大きなヒット曲もなくデビューから40年以上根強いファンを持ち続けて来たことが
それを証明しているのではないだろうか。

常に黒い衣装で登場し、アンニュイな物言いのステージは
観客を否応なく引き込んで行く。
彼女にとってステージは単なる音楽ライブの場ではなく
彼女自身の肉体と精神をも含めた表現の場であったのではないか。

その精神は擦り切れることなく40年以上続いたのだろうか?
僕にそれは分かり得ないけれど7~8年前に新宿ピットインで
彼女のライブを久し振りに観た時には
若干、肉体の衰えは隠せないけれど声質、声量ともに衰えを感じなかった。
彼女の精神はある一定の水準で常に空気を震わせていたのだろう。
70年代、僕にとってもっとも納得出来る女性ボーカリストとして存在した彼女は
30年以上経ったその時も当時と遜色なく目の前に存在した。

もっと生きて欲しかった。
もっと歌い続けて欲しかった。

今夜の店は浅川マキの歌に埋もれる。


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(EMIミュージック・ジャパン他から借用)
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# by ma.blues | 2010-01-19 19:37 | Comments(0)  

演劇と音楽の間にベルリンの壁は存在したのか…朗読劇「Le Gitan」から見えるもの…

15日に行われた朗読劇「Le Gitan」は盛況のうちに幕を閉じたようです。
観客のウケもよかったそうで生演奏が加わったことへの新鮮さを口にする方も多かったようです。
中にはレパートリーの「マイナー・スウィング」を「最後まで聴きたかった」とアンケートに書いた観客も。
この曲は途中でフェイドアウトしたため最後まで演奏していなかったのだそうです。
ともあれ、おおむね演奏に対する評価はよかったようです。

演劇に生演奏を入れる手法はずいぶん昔から行われていますが
朗読劇に生演奏というのは珍しいのかもしれません。
今回はカーテンの後ろにバンドは陣取りシルエットでの登場だったようです。
この手法も古くから行われているものですね。

演劇の場合、音楽は二次的なものとして扱われやすいです。
あるいは付随的なものとして。
しかし、かつては音楽と演劇の相対的関係を模索する作業も行われていました。
つまり、どちらかが優位性を持つものではなく同等のものとして扱われました。
現在でもそうした試みをしている人たちがいるのかもしれませんが
個人的には知り得ていません。

音楽を空間芸術として捉えるなら
演劇と音楽は同位性を持った芸術と考えることが出来ます。
どちらも次から次へと消え去って行く時間を共有することによって演者と観客の共同性が確立されます。
むろん、音楽の場合はライブに限られますが。
それは「記録されたもの」とはまったく別の次元に存在するものでしょう。
演劇も音楽もDVDやビデオテープなどで記録し留めることは可能です。
しかし、それらは目の前で行われるものを生で観ること聴くこととはまったく別のものです。
「生」の重要性はその時でしか感じることの出来ない「何か」を産み出すことでしょう。
それゆえ、その時間を共有出来たことに喜びを感じるのであり感動も生まれます。

書いていることはきわめて個人的な考えであり普遍性を持っているとも考えてはいません。
現在、ライブバーという「空間」を運営し音楽ライブを提供する人間として
どういった考えのもとにそうした作業をしているのかを整理するためにもここに記しています。
僕自身はこの店を運営するとともにその空間で何を表現するのかを考えています。
店を「舞台」として規定しその中で何を「演ずる」のか?
いや、演ずるのではなく演者をどう動かすのか?
僕のすべきことはプロデュース的作業になるのでしょう。

毎月行うライブで何が生まれて来るのか?
それは僕も含めて誰にも分かりません。
しかし、仕掛ける人間としては一定の目的意識を持つ必要があるのです。
それは「演劇的要素」「音楽的要素」といった考え方ではなく
それらを複合的なものとして捉え、その空間を演出すること。
その場合、特別な装置が必要なこともあれば何も必要としないこともあります。
その見極めを付けることと観客と演者との共同性を産み出す手助けを少しでもすること。
僕自身の力不足もあり、多くは演者の力に頼ることが多いですが
少なくとも考えの底ではそんな風に思っているのです。

音楽ライブも見方を変えれば演劇として捉えることが出来ます。
厳密に言葉の規定をすれば違うのかもしれませんが
僕の中ではそんな風に感じています。
「劇中音楽」ではなく「劇そのもの」としての音楽。
きわめて観念的な物言いで申し訳ないですが
僕のイメージする音楽はそんな音楽です。
一曲の中に埋め込まれたメロディが演劇でいう台本であり
そのメロディを奏でることで奏者は劇中人物になる。
一人での弾き語りはさしづめ一人芝居と言えるでしょう。
タイトルはそんな考えから浮かんだ言葉です。

演奏者がより劇中人物に近づけるように環境を整えるのが僕の仕事です。
そして、彼らと観客が共同性を持てるような環境作り。
僕の主な仕事はそんなことになります。

まぁ、ずいぶんと偉そうなことをぐったら書いてしまいましたが
考えてみれば、こうしたことはかなり若い頃から考えていたことで
一度も実体化したことのなかったものです。
現在もなお、それはまだまだ実体化出来得ていないことで
模索している部分もかなり多く成功するのかさえも定かではありません。
「夢」かもしれませんし「あり得ないもの」なのかもしれません。
それでも、動き始めた汽車を止めることは出来ないのです。
少なくとも、僕が機関士でいる間は。
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# by ma.blues | 2010-01-17 21:10 | リンク関連 | Comments(2)